溶岩で染めた野蚕のテトラに、細石を入れ、香を置き、両手で振るい香りをたてます。

「ふる」という言葉や行為は古くから霊力が強く、運を開くとされます。

野蚕のテトラを両手で持ち、ふるふると振るい香りをたてると、次第に空間へ広がります。
　

香りの歴史は古く、中国王朝「北宋」の詩人・黄庭堅（こうていけん）の詩文には香りの効能が詠まれています。
　

「香十徳（こうじっとく）」

感格鬼神（かんかくきじん）

・・・感覚が鬼や神のように集中でき研ぎ澄まされる

清淨心身（しょうじょうしんじん）

・・・心身を清らかにする

能除汚穢（のうじょおえ）

・・・汚れ穢れを能（よ）く取り除く

能覺睡眠（のうかくすいみん）

・・・能（よ）く眠気を覚ます

静中成友（せいちゅうじゅうよう）

・・・静かな時間に癒しをもたらす

塵裏偸閑（じんりゆかん）

・・・慌しい時に心を穏やかにしてくれる

多而不厭（たじふえん）

・・・多くても邪魔にはならない

寡而為足（かにいそく）

・・・量が少なくても良い香りを放つ

久蔵不朽（きゅうぞうふきゅう）

・・・長期間保存してもいたみません。

常用無障（じょうようむしょう）

・・・常に用いて障り（害）が無い


香りの効果や効能は、フィトセラピーとして現代の暮らしの中に生かされていますが、

東洋人は古くから香りが心体に与える影響を知り、暮らしの中に生かしてきたのですね。

さざれ石は長い年月をかけて成長し、小石ほどの大きさになるまでも、長い年月をかけ地球の胎内で育まれます。

それゆえ神霊の宿る石とされています。

神社にある玉砂利も、古来より祭祀に小石が使われてきた由縁です。


細石香の石は、天地開闢の地、淡路島の石。