Story ストーリー
木曽漆器づくりの技術による漆硝子への挑戦は約25年前に始まりました。 1994年に漆硝子の先駆けとなる“すいとうよ”を世に出したわたしたちは, より幅広い料理を楽しむことができる, 耐久性を高めた漆硝子をめざしてさらに研究を続けました。 “漆らしさ”を使いやすく楽しいものに昇華させたい という思いを胸に試行錯誤を繰り返し, 2013年, 装いもあたらしい漆硝子“百色”は誕生しました。 職人の手仕事により丁寧に塗り描かれた, 一点一点の表情の違いが愛着に変わる, 温もりとクールさ, 新しさとクラシック感が共存するテーブルウェアを 自由なスタイルでお楽しみください。
丸嘉小坂漆器店の漆硝子
かつて隆盛を誇った木曽漆器産地が近年衰退の一途を辿る中, わたしたちは漆器の扱いにくさが現代生活の中で敬遠されてしまう大きな理由の一つかもしれないと感じていました。伝統工芸士・小坂康人はその現状を打破しようと試行錯誤し, 丸嘉小坂漆器店として1994年に漆とガラスのマッチングに成功しました。
それ以来, BND木の研究室および長野県工業技術総合センターとの共同研究を重ね, ドリンク用途だけでなくより幅広い用途で使用できる耐久性を達成して生まれたのが百色の器製品です。中性洗剤を使用したスポンジ洗いは問題なく, 硬いものをあてたり研磨しない限り日常的に使用できます。 一部を除いては器の外側に漆が塗られているため, 料理が盛られる内側はガラス面となっています。これまでの漆器とは違い金属製のカトラリーを使用することができ, 油ものも気軽に盛りつけることができる百色の器は, 漆器の利用シーンを大きく広げる自由なテーブルウェアとなりました。
また, デザイナーとのコラボレーションにより日本の伝統をどこかに感じさせながらも現在の暮らしの中で新鮮に映るような, 様々な新しい漆の表現方法が生まれてきました。丸嘉小坂漆器店はこれからも日本の美意識, 漆塗りの文化をしっかりと守りながら, その進化形としての自由で新鮮な漆器を作り続けていきたいと思います。