日本でも限られた場所でしか栽培することのできない山葵。ここ中伊豆では火山からの贈り物、軽石を多く含む天城山から湧き出る水で育ちます。化学肥料、薬品等を一切使わず水のみで栽培します。

１８９２年頃に畳石式という栽培方式が開発されました。この工法は下層から上層に向けて、大中小の石を順に積み上げ、表層部に砂を敷く複層構造。豊富な湧き水をかけ流すことで不純物のろ過、水温の安定、栄養分や酸素の供給を同時に行えるためわさびの安定生産を可能としております。

山葵は擦ることで細胞が破壊され辛味がでます。辛味、旨味、ほのかな苦味、そして甘味とバランスのとれた味が感じられます。

力を入れずゆーくりと円を描くように擦るとなんとも爽やかないい香りをお愉しみいただけます。

山葵本来の味をお愉しみいただくために、しょうゆなどの液体に溶かさず食材に直接乗せてお召し上がりください。

千葉で育った『よそ者』である私が、栽培方法、何より山葵の旨さに魅了され移住してきました。中伊豆で初めての新規就農者となり、多くの先輩農家さんに助けられ、今では微力ながら色々な農家さんのお手伝いもさせていただいております。この素晴らしいモノを少しでも多くの人と分かち合いたい！そんな思いで私はこの地を守っていく一員として発信し続けていきたいと思っております。

中伊豆の山葵農家さん達は何代もの先人により受け継がれてきた山葵沢を守り続けています。後継者は徐々に減りつつありますが、決して絶やしてはいけないものだと確信しております。

わさび農家になって一番衝撃的だったのは、本わさびの味でした。実はわさび農家になると決めるまでは、本わさびをちゃんと味わったことがありませんでした。中伊豆ではじめて本わさびを食べたときの感動は忘れられません。味わったことのない方々へ是非一度本物を食べて頂きたい！