タマヌオイルとは、テリハボク（宮古島では「ヤラブ」と呼びます）の種子をじっくりと搾って作られる植物オイルです。ハワイやタヒチなど南太平洋の島々では、伝統的な皮膚疾患の治療薬として利用されてきました。搾りたてのオイルは黄金色で濃厚なナッツの香りがします。角質層にすっと浸透するためべたつき感がなく、その優れた保湿・抗炎症・抗酸化特性から、近年注目を集めています。

わたしたちのタマヌオイルは、自然落下した実を拾うだけなので、よそから資源を奪ったり、今ある自然を傷つけたりしません。原料の種はすべて人の手で丁寧に割って加工します。これが、畑にでられなくなったオバアでも楽しく働ける「小さな仕事」になっています。島の共有地に植えたヤラブの森は、少しずつ島のコモンズへ成長していきます。オイルを作るだけ島の自然と暮らしが豊かになる、よそから奪うことなく、大切なものを壊すことなく、ユー（富、豊穣を表す島の言葉）を分かち合っていける社会。わたしたちが目指す島の未来です。

宮古島の北に位置する池間島は、サンゴ礁に囲まれたとても美しい島です。母なる海に守られて、島全体が大きな家族のように助け合って暮らしてきました。過疎高齢化によって暮らしも自然も姿を変えていくなかで、今なにができるだろうと考えます。
私たちのコンセプトは、自然も人の暮らしも傷つけない「やわらかな」ものづくりです。だれもがかかわれるバリアのないものづくりの仕組み、島の自然を今より豊かにするための環境保全と再生の試み、若い世代が島の自分の未来を大切に思えるような学びの実践などを繋ぎ合わせて、地域の未来を明るく照らす豊かな循環をつくり出したいと考えています。タマヌオイルはこの大きな循環を動かすための最初の回転です。

テリハボクは年に2回、春と秋に実をつけます。樹木の花や実を摘んで使用するのではなく、自然落下した種子を集めますので今ある自然に負荷をかけません。集めた種子は、外側の堅い殻を割って、中の仁を取り出します。雨で畑に出られない日、昼下がり、公民館に集まっておしゃべりしながら・・・80～90歳の池間の元気なオカアたちが中心となって、出来るときに、好きな場所で種の殻を割ってもらいます。割った種は、何度も何度も良質な種だけをハンドピッキングして、数か月間、太陽と風の力をかりて、じっくりと乾燥させます。搾油は直圧式（玉搾り）によるコールドプレス製法にこだわって、ゆっくり時間をかけて非加熱のオイルを抽出しています。
わたしたちのタマヌオイルは、ちいさく、ゆっくりと作られます。それが肌にやさしく、自然も人の暮らしも傷つけない“やわらかさ”をもつnaureのタマヌオイルです。

タマヌオイルには、オレイン酸やリノール酸など肌の保湿に最適な脂肪酸がバランスよく含まれているほか、天然の抗炎症成分カロフィロリードや、高い抗酸化作用をもつトコトリエノール（天然ビタミンE）が豊富に含まれています。
naureのタマヌオイルは、製造の行程で一切熱を加えず、コールドプレス製法で抽出しています。そのため、ビタミンやファイトケミカルなどの有用成分を壊しません。搾りたてのフレッシュジュースのような新鮮なオイルをお届けするため、原料種子の収穫から、加工、搾油までを一貫して池間島にて行い、厳選された原料だけを使用して少量ずつ丁寧に作っています。

『SDGs化粧品が未来をつくる』のコーナーにて、naureタマヌオイルをご紹介いただきました。
近年注目される「エシカル」や「SDGs」、ローカルあるいはグローバルな社会課題解決へ向けたコンセプトやストーリーを持つ「ソーシャル・プロダクツ」の流れを受けて、naureタマヌオイルやわたしたちのものづくりに関心を寄せていただいています。

サスティナブルコスメアワードは、「人にも地球にもやさしいコスメ」を表彰する制度で、SDGs(持続可能な開発目標)の理念を選考基準に採用されています。わたしたちが、タマヌオイルづくりを通して池間島で取り組んでいる自然環境の再生や雇用の創出、ESDなど、持続可能な社会に向けての取り組みを高く評価していただきました。

審査委員のコメント
「SDGs達成度の高い、ストイックなアティチュードにとても共感できます。ユニークなコンセプトもブランドのエッジさを体現しており、ディープな使用感と共に多くのファンを産む可能性を感じます。応援したくなるプロダクトです。」

「ヤラブの種子油は、先人達が火傷や肌の薬に使ってきた奇跡のオイル。貴重なものを誕生させてくれました。買い手が増え、搾油量を増やす為、防風林であるヤラブの木を植えれば植える程、自然は安定し、島に仕事が生まれます。老人も参加でき、若者も島に戻る。これが真のサスティナブルコスメだと思います。」