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株式会社スタイルエージェント(文化服装学院 メンズデザインコース協業)

Sustainable Fashion Design Project

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Story ストーリー

NEW SAFARI COLLECTION
今回のコレクションは「冒険旅行」「美しい自然」「自然との共生」をテーマにリゾートムードのサファリルックを提案。
手付かずの地球本来の自然の豊かさ、健全な生命の循環、人間と自然の共生に美しさを見出しました。
その美しさを守りたいという気持ちを落とし込みたいと考え、制作されました。

Purpose
消費者に“服は安いもの、1年後には着なくなって捨ててしまっていいもの”というその考えがある限りサステナブルな物作りは難しいと考えます。
服を通して何にお金を払うのか考えてもらうきっかけになれたらと思います。
サステナビリティ実現のため、消費基準や価値観について訴えかけています。

Tシャツ/ウエスタンシャツ

(左)オーガニックコットンにコーヒー染を施し、むらが柄になるよう染めました。ベーシックなシルエットで着やすく、メッセージプリントがデザインポイントになっています。
(右)ベーシックなウェスタンシャツの形を参考にこだわりあるシルエットを作りました。再⽣ポリエステル素材使いでサステナブルであり、ポケットに施した特殊ミシンによるデザインステッチがポイントになっています。

技術提供企業:福井プレス
大阪府東大阪市西石切町6-3-42

染色・クリーニングなど繊維加工を手掛け、現在では、廃棄物を再利用した染色に取り組んでいます。1938(昭和13)年、クリーニング工場として創業しアパレルメーカーのサンプル品など小ロットの染色加工を開始。2010(平成22)年には、個人向けの衣類染め直しサービス「染め直し屋」の運営を開始しています。

使用加工:珈琲染め
チャフ(コーヒー豆を焙煎した時にでる焼けた薄皮のこと)及び規格漏れや消費期限の過ぎたフードロス豆やカフェで発生するドリップかすを回収して染料として再利用しております。ドリップ前の豆から染色する場合、色が濃く香りも強い染色が可能です。濃染プリントという特殊な技法を用いる事で、デザイン柄も珈琲豆由来の天然色素100%で表現可能となりました。

テーラードジャケットリメイク/プリーツパンツ

(左)ヴィンテージミリタリーテントを解体したファブリックを使用したアイテム。スナップボタン留めの⼤きなポケット、⾝頃に留められるラペルがデザインポイント。背中⼼のプリーツとウエストのタックで運動量を取り、袖は動きやすいようにまちを⼊れ、その傾斜を利⽤し、重なる部分にボタンをつけました。芯地もテントからとったためサステナブルです。パイピングを施した丁寧な仕⽴てになっています。
(右)サファリルックを感じさせるテキスタイルを使⽤。プリーツを全⾯に施した斬新なデザインになっています。男性的かつ綺麗に⾒える幅とシルエットのプリーツになっています。膝の⿊い切り替えと裾のフレアがあいまって、動きを与えてくれます。

素材提供企業:株式会社浜屋
埼玉県東松山市下唐子1594

浜屋では、家電をはじめ家具雑貨や金属資源まで、家庭や事業所等で使用されたありとあらゆる商品を幅広く買取しています。買取りした商品で再利用可能なものは、国内外の必要としている方へ渡り、再利用できない物は国内で資源として生まれ変わります。

使用素材:リサイクル品の海外製テント
ものの価値を最大限活かす循環型ビジネスを展開している株式会社浜屋から、アップサイクルできる学生が希望されたリサイクル品を提供いただきました。

黒染めブルゾン/縮緬シャツ

(左)古着のトレンチコートを解体し、製品染を施したアイテム。パーツ別に共布を使⽤することで着⽤時の違和感を避けながら、染めた後でも対照的な⾊合いになるように制作しています。⼤きいポケットに出し入れしやすいフラップ、動きやすいようアクションプリーツを取り⼊れています。
(右)スモックをモチーフに、リラックスしたシルエットでデザインしました。⾝頃にドレープが落ちてくるパターンを採⽤し、ドレープ感を⽣かす丹後縮緬素材を使⽤しました。

技術提供企業:株式会社京都紋付
京都市中京区壬生松原町51-1

京都紋付は、日本の伝統的な正装である黒紋付だけを約100年間染め続けている企業です。創業当時、すべて手作業で行われていた染めの技術を、時代と共に作業性を変化させ今に受け継いでいます。黒をより一層深みのある黒へ。よりサステナブルな社会のためマップサイクル事業「K」を展開しています。

使用加工:深黒加工
この深黒加工は、黒染加工を施した後天日干しで一点一点乾かし、さらに深黒加工を行い、もう一度天日干しすることによって、黒さをより一層際立たせるものです。光を吸収して黒く見せる当社独自の技術です。
深黒加工は、黒色だけに作用して、ほかの色には作用しません。この技術を用いて洋装界において他の追随を許さない究極の黒を実現しています。

アシンメトリーパンツ/デニムパンツ

(左)どんなコーディネートにもマッチするオリジナルカモフラージュテキスタイルを使⽤。履きやすいストレートシルエットにアシンメトリーのレイヤードデザインを採⽤。重なりが⽴体的で動きが出ます。ボタンで取り外しのできるベルト付きポケットで雰囲気を変えることができます。
(右)古着のデニムとトレンチコートを解体し作ったアイテム。映画の⾐装から着想を得たスリット⼊りデザインを採⽤。複雑なファスナー部分は古着のパーツをそのまま使⽤できるようパターンをアレンジしました。使⽤するデニムにより1着ごとに変化が出てくるため、世界で⼀つのアイテムになっております。

素材提供:株式会社ヒューマンフォーラム
京都府​京都市中京区寺町通蛸薬師上ル式部町​261番地

カルチャーやスタイルを発信する古着屋「spinns」。ナチュラルなアイテムを取り揃える、ライフスタイルカフェ「mumokuteki」。USEDを拡張する進化型古着屋「森」などを8運営しています。古着屋として創業し28年目となった現在、カフェや農業法人の運営など、多彩な事業展開をしています。「表現することで道は切り開かれていく」という考え。アパレルや農業を通して、若者がありのままの自分でいられる場所、次の自分になれる機会をつくりつづけています。

素材提供:リユースデニム
たずさわる全ての人々との「つながり」を大切に、まったく新しくとんでもなく面白い価値や「生き方」を共に生み出し続ける「生き方共創企業」、その共創のプロセスから生まれる感動、気づき、喜び、学びなどを分かち合うことで共に成長し、互いに変容し、一緒に楽しみ続ける永いおつきあいの「素晴らしき仲間の集い」を企業理念の一環として、アップサイクルできる学生が希望されたリサイクル品を提供いただきました。

レースアップシャツ/ショートパンツ

(左)スモックをモチーフにした⼤きめのシルエットで、サファリルックを感じさせる前あきのレースアップデザインです。オーガニックコットンを使⽤し、サイドに⼊れたしぶき染がデザインポイントです。ハーフパンツとセットで着られるようにもなっています。
(右)オーガニックコットンを使⽤。サイドにアクセントとして⼊れたしぶき染がポイント。全体に⼤きめで⽴体感あるバルーンシルエットが、男性をより格好良く、現代的かつラグジュアリーに⾒せます。三⾓形のベルトループ、バックポケットのフラップの形状などのディテールもオリジナリティに富んでいます。

素材・技術提供企業:株式会社高蔵
京都府京丹後市弥栄町和田野314 

株式会社高蔵は、約300年前(1750年頃)「酒屋」の屋号をもつ造り酒屋として「ものづくり」の端を発します。その後、明治30年には時代の先駆けとして丹後ちりめんの製糸・織物に業を移し、地元丹後の発展に貢献してきました。更に付加価値のあるものづくりを追求し、平成元年より北近畿では初、国内では最後と言われる染色事業を手掛け、現在では染織が特徴のオリジナル製品を世界に発信しています。

使用加工:高蔵染
現代アートの絵画技法「ドリッピング」を自在に操る染師、大下倉和彦による技術。飛び散る無数の点を「シブキ」と呼び、その偶然性とコントロールの境界で生まれる作品は日本の伝統文化と現代の感覚から生まれたSHIBUKI アートとして、世界中の人々が繋がることを願い様々な活動を展開しています。

和紙ジャケット

形⾃体はベーシックなデニムジャケットの形ですが、和紙を使⽤するという斬新なデザインに。着⼼地を考慮し、⼿揉みによるシワ加⼯を施したことで動きのある肩、肘にも馴染むようになっています。また、経年変化を楽しんでいただけるようフラップ、カフスはシワ加⼯せず、和紙をそのまま使⽤しています。

素材提供企業:株式会社大直
山梨県西八代郡市川三郷町高田184-3

千年の歴史を持つ和紙の産地・山梨県市川三郷町から、現代の暮らしに寄り添う和紙の提案をしています。地場産業である障子紙をはじめ「めでたや」「SIWA|紙和」などのブランドを展開しています。

使用素材:ナオロン
和紙漉きの製法で作った新しい紙、それが「ナオロン」です。手にすると肌触りが良く、軽くて、柔らかくしなやかな紙質ながら、大変強度があります。さらに水にも強く、破れにくいのも大きな特徴です。
使用方法・使用年数によって限度が変わってきますが、(財)QTEC生活用品試験センター調べ(2009年)で、5キログラムから10キログラムという耐荷重のテストにも合格しました。また、傘などの濡れたものを入れても破れる心配もありません。

世界に誇るファッションの専門学校で「にほんのモノづくり」を考える

今回のプロジェクトは、30万人以上の卒業生を輩出しているファッションの専門学校「文化服装学院」のアパレルデザイン科 メンズデザインコースとのコラボレーションとして実施しました。

文化服装学院について

1923年、日本で初めての服装教育の学校として認可。コシノヒロコ、コシノジュンコ、高田賢三、山本耀司、津森千里、渡辺淳弥(コム・デ・ギャルソン)、丸山敬太、高島一精(ネ・ネット)、皆川明(ミナペルホネン)、高橋盾(アンダーカバー)、宮前義之(イッセイミヤケ)、落合宏理(FACETASM)など国内外で活躍するデザイナーをはじめ、流行の最先端で活躍しているクリエイターやファッション業界のさまざまな職種で業界をリードする卒業生を数多く輩出している。

伝統工芸を使ったサステナブルなアイテムを作る

学生たちに、にほんのモノづくり(伝統工芸)をもとに、手法、技法、素材などを選択し「サステナブルファッション」に落とし込んでもらいました。チームに分かれ、各チーム内でデザイナー、パタンナー、生産管理、マテリアルなどの役割分担を決めて、より実践に近い内容を授業でおこなう産学連携プロジェクトです。

残すべきは、「モノづくり」の精神

にほんのモノづくり(伝統工芸)という、過去に見習うべきは「ものを再生して価値あるものに変える産業と経済社会を作った」精神です。環境に配慮する現代とは違い、「ものを使い尽くす」ことが目的であり何度も蘇らせたり形を変えたりする文化がありました。
衣食住のあらゆる場面でリサイクル・リユースが行われる完全な循環型社会で、モノやそれに込められた人の気持ちが大事にされていた日本の暮らしに学ぶ必要があるのではないかと考え、コラボレーションは実施されました。

学生からの感想

今回の企画にプロデューサーとして参加した川守田朱海さん(文化服装学院 アパレルデザイン科 メンズデザインコース)に感想をいただきました。

・今回の取り組みについて感じたこと
日本の伝統文化的要素とサステナブルの融合という取り組みが非常に面白いと思いました。全体のテーマ設定からサンプルの製作までを行って、実際のアパレルがどう動いているのかを学生のうちに体験できる貴重な機会になったと思います。

・テーマ設定における取り組みについて
企画が始まる前に提供していただける素材のサンプルを見せて頂いて、なるべく提供していただけるものの多くを使いたい。それらのいい表情を生かしたものを作りたいという思いがありました。また、商品になることを念頭に多くの人がサステナビリティとの関連を想像しやすいこと、リアルクローズに落とし込みやすいもの、またデザイナーに詳細なデザインをしてもらう上で、デザインの幅がきくものなど、多くの人と共有しやすいテーマを意識的に探しテーマ設定を行いました。

・プロデューサーとしての取り組みについて
多くの人と協力していく中で、サファリというテーマにちぐはぐさが生じるのが一番駄目だと思いました。テーマ、コンセプト、デザインに統一感というか、一貫性がきちんと保たれているか、そこを守っていくのが自分の役割だと考えていました。特にデザイナーのメンバーとは細かいことも意見を出し合って進めていきました。

・今後に活かせると感じたこと
今回、限られた時間の中で多くの人と役割分担して進めていくということを体験しました。意外とこれが難しくて、時間配分といった計画性もそうですし、チームの人との確認、連絡も密でないといけません。常に先を想像して考えて行動することの重要性を学びました。これは今後の糧になると思います。

Exhibition 出展展示会

文化服装学院 Men's Design Course

2022.01.14(Fri) - 2022.03.31(Fri)

「にほんのモノづくりをサステナブルとファッションで伝える」をテーマにした文化服装学院とProject(Re:ll)における産学連携プロジェクトです。伝統工芸の技術や素材を活かして、文化服装学院の学生が販売を想定したファッション商品を考案しました。伝統工芸を持つ企業とファッション専門学校の学生という今までなかった交わりを通じて、サスティナブルな世の中に向けた新しい発信をしていきます。

展示会ページ