Story ストーリー
フラワーデザイナーが考えた「植物のような漆器」
手本にしたのは、植物のような有機的なかたち。日本一と称される山名漆器の木地、ろくろ挽きの技術と拭き漆の技から、存在感あるプロダクトが生まれました。経年変化によって花が開くようにゆっくりと色鮮やかになっていきます。
器として、インテリアとして、雑貨として。ひとつのカテゴリーに収まらない自由な漆器です。山中塗の伝統工芸にフラワーデザイナーの視点を加えることで、花のような曲線や繊細な筋、球根の芽吹きを表現しました。
縁の下で支える職人さんにスポットライトを
『YUIYU』のプロダクトには、ろくろを挽く人、漆を採取する人、下塗りをする人、漆を拭き取る人など、表には見えないたくさんの方たちの手が加えられています。山中漆器の職人さんは分業制でありながら、それぞれが意思疎通を図り、常に柔軟な姿勢で未来を切り拓いてきました。そうした新しい感性を次世代に繋いでいくために。すべての工程に関わる方々にスポットライトをあてて、どの世代にも愛されるタイムレスな伝統工芸を目指しました。
どうして色が変わるの?
色が変わる理由は生漆の経年変化によるもの。最初は飴色だった漆がゆっくりと透明に近づいていき、漆の下に隠れていた色が浮き出てきます。
『YUIYU』 が目指したのは、自然の造形物のような有機的なかたちです。削りだす場所によって木目の表情が変わりますが、 サスティナブルな取り組みとして、これまで規格外にしていた木目も自然のままに残しました。
山中漆器の代名詞ともいえる「ろくろ挽き」
素材には国産の天然木を使っています。土台となる木地づくりでは、曲線や細かい千筋などの装飾を加え、独自の美しさを際立たせています。植物のようなかたちに近づけるため、回転ろくろや旋盤のほか、手彫りでも木地を整えて、花のような曲線や球根の芽吹きを表現しました。
何度も試作を重ねてたどりついた6色
漆器の表面を覆う生漆が徐々に透けてきた時に、鮮やかに色が出せるように下塗りの色は大胆に冒険しました。漆は天然素材なので発色は一つひとつ違います。それは植物も同じ。だから私たちは、自然な色ムラも楽しんでもらいたくて、何度も試作を重ねました。
美しい木目が魅力の「吹き漆」技法
漆の木から採取した生漆の被膜に包まれた山中漆器。趣ある木目の美しさは、漆を塗っては拭き取るという作業を繰り返す「拭き漆」という技法から生まれたものです。
気楽に、自由に、漆器と暮らす。
今回は5種のカタチと6色のカラーを用意しました。どの組み合わせでも全体がまとまるように、重ねたときに相性のいい色のトーンにしています。インテリアのアクセントとして、花束のようにまとめて、ひらめきに任せて自由にコーディネートを楽しんでみてください。
本来、漆器は食器として使われているので、食卓でもお使いいただけます。特別なおつまみでなくても、盛るだけでおもてなし感がアップ。気軽にお皿にやりとりしながら、楽しい食卓が演出できます。
シックな色を選べば、時がたっても落ち着いた印象のまま。小物をおさめてもスッキリまとまります。天然木ならではの温かみは、道具にこだわる人の暮らしにもしっくりなじむはず。
たとえば大切な人の誕生日に。毎年ひとつ買い足して、ゆっくりと色変わりしてきた器にこの1年の思い出を重ねてみたり。
重ねたり、上下を分けて使ったり。用途にあわせてアレンジできます。さまざまな組み合わせをお楽しみください。
メイクアイテムの筆やコットンを分かりやすく分けられます。丈夫で軽い木製の漆器なら、うっかり小物入れを倒してしまっても心配ありません。