Story ストーリー
醒間|SAMASIMA
感覚を呼び覚ます空間と時間 快適とは異なる新たな次元の贅沢を
珈琲道の庵治石ミルー珈琲を身体で味わうこと
「…豆の硬度が焙煎具合によって微妙に異なることは、擦り棒を握る掌を通した振動としてダイレクトに伝わってくる。 乾燥した細胞組織が粉状に変化していく音も、モーター音やギア、刃物等の音に邪魔されることなく、立ち漂う芳香と共にあらゆる感覚器官を独占していく。」
鳥足下駄ー鳥のように歩くこと
「…はて、どうやら人間でも走る時は踵を地面につけないようだ。本能的な活動時には動物の感覚を取り戻すということだろうか…。 コツコツ…。確かにこの下駄で歩いてみると何か骨組みが整えられるような気がするぞ…。 あ、もしかしたら、美しい鳥たちのように、美しく歩けているのかな。」
最低限の座椅子ーええ感じに座りたい
「そもそも、私は楽に座りたいなんて思ってへんのです! むしろ、ええ感じに座りたいんです! 何というか、椅子に依存したくもないし、椅子と無関係でありたくもないし…。 で、なんですか、これ。こんな小さなクッションに座るの?あ…ちょっとええですやん…。思いのほか楽。だけど背筋はピン。」
生の衣−寝醒衣ー蟲の糸でつくること
「…有機的な姿で、しなやかに身をこなせるものがいい。 生き物のように呼吸し、外界とつながっているものがいい。 そして、デリケートさを克服した、堅牢な絹がいい。 眠るときも、醒めるときも、繭の中。 蚕が紡いだ生の衣。」