Brand Story ブランドストーリー
【CONSTRUCT】カチッと鳴る眼鏡
ほんとうに掛けやすい眼鏡とは。2代目として家業の眼鏡店を継いで十余年。試行錯誤してたどり着いたフレームの正解は軽さでも柔らかさでもなく、骨格とのバランスでした。 理想的なバランスをかたちにしようと思えば、おざなりにできないのがフィッティング技術です。寸分の狂いなくフィットしたとき、眼鏡はわれわれの手のなかでカチッと鳴ります。検眼やフィッティングの素養が求められる眼鏡店の商いはかつて“半医半商”といわれました。AKIRA & SONSはこの原点に立ち返り、われわれの腕も鳴る眼鏡を目指しました。 装飾を排した、ミニマルを極めたデザイン、細く攻めたテンプル、クリングスと呼ばれるノーズパッド──いちからつくりあげたフレームは、“カチッと鳴る”条件を満たしています。 フレームといえば、厚くとった蝶番まわりや先セルも見どころのひとつ。前者はもっとも負荷のかかる部位に強度を与え、後者は重心バランスを最適に保ちます。
【PRODUCT】墨汁のような香り
生産は日本が誇る眼鏡の産地、福井は鯖江の工場にお願いしています。 五枚蝶番やサンプラチナのカシメといったクラシカルなスペック、ツライチのアウトラインは伝統を受け継いできた職人のみに許された領域です。 往年の職人仕事を恃みとするAKIRA & SONSがファーストシーズンに採り上げたマテリアルはセルロイドでした。 セルロイドは1856年に誕生した、人類がはじめて手に入れた人工樹脂。 現代の眼鏡にポピュラーなアセテートと比べてはるかに腰があり、耐久性に富む。 なにより滴るような肌合いはすばらしいの一語に尽きる。 つくりたてのセルロイドは、墨汁を思わせる香りがほのかに鼻腔をくすぐります。 AKIRA & SONSはこのマテリアルを次代につなげるべく、ナロウなスクエア、ウェリントン、クラウンパントに生まれ変わらせました。 モダンなシルエットはセルロイドだから可能となったものであり、AKIRA & SONSのプレコレクションに並べるに足るものです。
【MATERIAL】セルロイドの魅力
■べっ甲に似たツヤ感。 ・現在主流のアセテート材と比べると磨いた時のツヤ感が格別。 ■色の奥深さ。 ・単調な色合いでもどこか風情があり、表情が豊か。 ■固く、柔らかく、しなやか。 ・固いため型崩れしにくい ・生地に粘りがあるため弾性がありフィット感が良い。 【セルロイドの歴史】 1856年に作られた世界最古の熱可塑性樹脂。 1950年代に製造工場にて火事が多発し、1955年に欧米で使用禁止に。 現在は日本及びアジアで流通可能。 日本では消防法第五類危険物として管理しながら生産されている。 【セルロイド製品】 ビリヤード球、万年筆、ピンポン球、フィルム、玩具、眼鏡など