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西陣織の特徴「引箔」とは
西陣織の帯地の特徴である絢爛豪華な金・銀の輝きは、引箔によって表現されています。引箔は古来より、西陣織の中でも最高級品に用いられてきた材料の一つです。そしてそれを織物に織り込むための西陣織独自の伝統技法もまた「引箔技法」と呼びます。
伝統的な引箔は和紙の表面に接着剤として漆を塗り、金・銀箔を押し上げて(貼って)製作します。現在では金・銀箔だけでなく、様々な材料や道具を用いながら独自の模様を表現するのが主流です。これを専門の裁断所で一定の方向に髪の毛ほどの細さに裁断します。
織物は経糸(たていと)に緯糸(よこいと)を通して織り上げます。西陣織の特徴は、緯糸の代わりに裁断した引箔を織り込む「引箔技法」にあります。一本ずつ順番通りに織り込むことで、元の和紙に描いた模様が帯に再現されます。引箔は糸と違い表裏があるので、織り手が一本ずつヘラに引っ掛け、引っ張ることにより経糸の間を通します。この動作から引箔という名が生まれました。